ここでは、 CreativeStudio を使って作成及び編集することができる、カメラの種類について説明します。
補足:
3D グラフィックスツールで作成したカメラを CreativeStudio へ読み込んで使用することもできます。
CreativeStudio のビューで設定できる、カメラの制御方式について説明します。
Aim 方式とは、注視点を使ってカメラの視線方向を制御するカメラの制御方式です。位置と注視点とTwist を設定できます。
表 1 Aim 方式で設定できるパラメータ
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 位置 | カメラの位置をワールド座標系で設定します。 |
| 注視点 | カメラの見ている先をワールド座標系で設定し、カメラの視線方向を制御します。 |
| Twist | カメラの視線方向に対する回転角度をカメラ座標系で設定します。正方向は反時計方向です。 |
図 1 Aim 方式を使ったときのカメラの制御軸
Look At 方式とは、注視点に加え、カメラの傾きを常にカメラの上方向にある制御点の位置を移動させることで制御する方式です。
表 2 Look At 方式で設定できるパラメータ
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 位置 | カメラの位置をワールド座標系で設定します。 |
| 注視点 | カメラの見ている先をワールド座標系で設定し、カメラの視線方向を制御します。 |
| UpVector | カメラの上方向にある制御点 UpVector の位置をカメラ座標系で移動させ、カメラの回転角度を制御します。 |
図 2 Look At 方式を使ったときのカメラの制御軸
Rotate 方式とは、カメラを回転させて視線の方向を制御するカメラの制御方式です。位置と回転を設定できます。
表 3 Rotate 方式で設定できるパラメータ
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 位置 | カメラの位置をワールド座標系で設定します。 |
| 回転 | カメラの回転角度をカメラ座標系で設定します。 |
図 3 Rotate 方式を使ったときのカメラの制御軸
ここでは、カメラの見える範囲と見え方の種類について説明します。
射影とは、座標系の扱いが異なるカメラの見え方のことです。
透視射影カメラ ( Persp ) と正射影カメラ ( Ortho ) の 2 種類があり、それぞれ設定できる項目が異なります。
透視射影カメラとは、カメラの画角によりパースがかかるカメラです。透視投影変換によりカメラに対して手前のものは大きく、奥のものは小さく見えます。
透視投影変換の詳細についてはこちらをご覧ください。
表 4 透視射影カメラで設定できるパラメータ
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Fovy | Y 方向の画角を、角度で設定します。 |
| Aspect | カメラの見える横幅と縦幅の比率 ( アスペクト比 ) を横幅 ÷ 縦幅の結果で指定します。 |
正射影カメラとは、カメラの画角によるパースの影響や奥行きの情報に依存しないカメラです。オルソー ( Ortho ) カメラとも呼びます。透視射影カメラ同様ウィンドウ座標系への変換が行われますが、横方向と高さ方向の値がそのまま使用されます。
表 5 正射影カメラで設定できるパラメータ
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Aspect | カメラの見える横幅と縦幅の比率 ( アスペクト比 ) を横幅 ÷ 縦幅の結果で指定します。 |
| Height | カメラの見える範囲 ( クリッピングボリューム ) の高さを設定します。 Aspect の指定により横幅は自動でもとめられます。 |
クリッピングとは、クリップ座標系で、カメラの見える範囲 ( クリッピングボリュームと呼びます ) を決めた後、範囲をまたぐポリゴンについて行われる、ポリゴンを切り取る処理のことです。透視射影カメラ、正射影カメラの両方で設定します。
表 6 Near クリップ と Far クリップ
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Near | 見える範囲の最前面 ( Near クリップ面 ) までの距離をカメラ座標系で指定します。 |
| Far | 見える範囲の最後面 ( Far クリップ面 ) までの距離をカメラ座標系で指定します。 |
W バッファとは、ラスタライズ処理において、クリップ座標系で用いられる W の値を格納する為の記憶領域のことです。
W スケールの値に 0.0 以外を指定することで、Wバッファを使用したデプステストが可能になります。
以下は、Wバッファを使用したときのウィンドウ座標系のデプス値を求める式です。
ウィンドウ座標系のデプス値 = - ( クリップ座標系の Z 値 ÷ Far クリップで指定した値 )
以下の図は、透視投影変換前のフラグメントのデプス値とデプスバッファのデプス値の関係について、Wバッファ使用前と後の結果をあらわしています。