NandFiler

概要

NandFilerは本体NANDメモリ内のデータを操作するためのツールです。 写真データや、本体NANDメモリ内に保存されている各NANDアプリのセーブデータを 削除・閲覧・編集することができます。
また、SDカードを用いることによって、セーブデータをインポート/エクスポートすることができます。

実行

以下のいずれかの方法で実行することができます。

IS-TWL-DEBUGGER ソフトウェアで実行する場合は 「しばらくお待ちください」と書かれたダイアログが表示され、 IS-TWL-DEBUGGER ソフトウェア上での操作はできなくなります。 終了する場合はダイアログ上の「強制中断」ボタンを押してください。

モード

NandFilerでは、以下の3種類のモードが存在します。

Filerモード

NandFilerを起動した直後は、「Filerモード」になっています。
「Filerモード」では、「写真データ・本体にインポート済みのNANDアプリのセーブデータ・SDカード」のいずれかを選択して、 そのディレクトリツリー内を閲覧・操作することができます。
SDカード内を閲覧する場合、SJISに変換できない文字コードで書かれたファイル名またはディレクトリ名は表示されません
以下の表で示す操作ができます。

ボタン操作
SELECT操作一覧の表示
←→表示項目のページ切り替え
↑↓ファイル等の選択
A項目の決定
B・アーカイブ・ファイル選択のキャンセル
・親ディレクトリへの移動
X・アーカイブ・ファイルの選択時に
 サブメニューを開く

タイトル選択

起動直後の状態です。画面左に、インストールされているNANDアプリのイニシャルコードと(青色)と、写真データとSDカードへの リンク(黄色)が表示されます。
イニシャルコードを選択した場合は画面中央の「アーカイブ選択」へ、写真データ・SDカードへのリンクを選択した場合は画面右の「ファイル選択」へ遷移します。 Xボタンのサブメニューでは次の操作を選択できます。

Export

アプリケーションのセーブデータ領域、または「PHOTO」ディレクトリ内のファイルを、SDカードへコピーします。
SDカード上には、「イニシャルコード4桁_バージョン4桁」または「PHOTO」のディレクトリが 生成され、データがコピーされます。

Fill

「PHOTO」ディレクトリ内に写真データを書き込むことで、photo 領域の空き容量を 0 にします。
この処理で書き込まれた写真データは DSi カメラで閲覧することができません。
また、処理の完了までに数十秒かかりますのでご注意ください。

アーカイブ選択

「タイトル選択」でイニシャルコードを選択した場合、ここに遷移します。 アーカイブ選択では、「Public」「Private」「SBanner」を選択できます。
それぞれ、「タイトル選択」で選択したNANDアプリの、「publicセーブデータ」「privateセーブデータ」「サブバナー」へのリンクとなっています。
Xボタンのサブメニューでは次の操作を選択できます。

但し、サブバナーのサブメニューには「Backup」「Break」の機能はありません。

Backup

SDカードにセーブデータをバックアップします。ここでバックアップしたデータは、 後述する「Restore」の操作でインポートが可能です。
前述の「Export」はファイル単位でSDカードにコピーするのに対して、 「Backup」はセーブデータ領域のファイルシステム全体をコピーする点が異なります。

Break

セーブデータのFATシステム領域を破壊します。セーブデータ領域が異常をきたしてFS_RESULT_BAD_FORMATが発生する状況を想定したデバッグに利用できます。
破壊したセーブデータ領域は、本ツール上で下記のいずれかの方法によって復旧できます。

アプリケーションが実行中に復旧するにはNA_FormatTitleArchiveをご使用ください。

Format

セーブデータやサブバナーを初期化します。
「Break」を使用してセーブデータやサブバナーが不正な状態になった場合にこれらを復旧することができます。

ファイル選択

「タイトル選択」で「PHOTO」「SD」を選択した場合と、「アーカイブ選択」でいずれかのセーブデータを 選択した場合に、ここに遷移します。
「ファイル選択」では、ディレクトリ(黄色)とファイル(白)の一覧が表示されます。
ディレクトリを選択した状態でAボタンを押すと、そのディレクトリの中を閲覧することができます。
ファイルを選択した状態でAボタンを押すと、「Viewモード」へ移行します。
「ファイル選択」で、上画面に表示される情報の意味は次のとおりです。
Sizeファイルサイズ
CTimeファイルが作成された日時
MTimeファイルの最終更新日時
ATimeファイルの最終アクセス日時
Attrファイルの属性
REA…リードオンリー
HID…隠しファイル
SYS…システムファイル
VOL…ボリュームラベル
PRO…プロテクト
ARC…アーカイブ
画面最下部選択中のファイルのフルパス
Xボタンのサブメニューでは次の操作を選択できます。

Import

「Export」で作成したディレクトリに対して有効な操作です。 ただし、「PHOTO」をエクスポートした場合は、インポートできません。
本体NANDメモリ内のセーブデータ領域へデータをコピーします。 本体NANDメモリ内のセーブデータ領域のサイズを超えない限り、 「Export」したデータが改変されていてもインポートできます。

Delete

ファイルやディレクトリを削除します。ディレクトリが選択されている場合、 再帰的にディレクトリ内のファイル・ディレクトリを削除します。

Restore

「Backup」で作成したセーブデータのバックアップファイルに対してのみ有効な操作です。 SDカード上のバックアップファイルを、本体NANDメモリにインポートします。
下記の場合は、バックアップファイルのインポートに失敗しますのでご注意下さい。

Viewモード

Viewモードではファイルの中を閲覧することができます。
上画面には、表示中のファイル名と表示アドレスが表示されます。
下画面には、ファイルの内容(バイナリ値と、対応するキャラクタ)が表示されます。


キャラクタは下記の仕様に沿ったものが表示されます。

以下の表で示す操作ができます。
ボタン操作
←→ページ単位でスクロール
↑↓行単位でスクロール
A「Editモード」へ移行
B「Filerモード」へ移行
「Editモード」でファイルが編集されている場合はファイルを保存する

Editモード

「Editモード」ではファイルを編集することができます。
ただし、下記の制限がありますのでご注意下さい。


編集時の制限事項

非編集状態

「Editモード」移行時はこの状態です。

ボタン操作
←→↑↓カーソルの移動
A「編集状態」へ移行
B「Viewモード」へ移行

編集状態

ボタン操作
←→↑↓カーソルの移動
B「非編集状態」へ移行
L,R値の増減

「編集状態」で、「L,Rボタン」を押すことによって、カーソルの指す位置の値を変更することができます。
一度でも変更した箇所は、緑色で表示されます。
「編集状態」でも自由にカーソルを動かせますが、「非編集状態」に比べて横方向の移動幅が減少します。
編集結果を保存するには「Viewモード」で「Bボタン」を押したときに表示される選択肢で「Yes」を選択してください。

場所

$TwlSDK/bin/ARM9-TS/Rom/NandFiler.srl
$TwlSDK/bin/ARM9-TS/Rom/NandFiler.tad

参照

履歴

2009/12/25 photo 領域を埋める機能を追加
2009/11/30 アーカイブ選択の「Delete」「Size0」機能を削除。これらのエラーは対応する必要がなくなりました。
2009/05/20 SDカード内のSJIS以外のファイル名の非表示、アーカイブ選択のサブバナー、「Delete」「Size0」「Format」機能を追記
2009/02/18 「Break」機能とFS_RESULT_BAD_FORMATの関連を追記
2008/01/13 「Import」「Export」機能について追記
2008/12/08 編集時の制限事項を追記
2008/11/26 スクリーンショットの追加と操作の変更に追従
2008/10/21 「Backup」「Restore」機能について追記
2008/09/16 「Break」機能について追記
2008/07/18 「場所」の変更 Release → Rom
2008/07/14 用語の変更
2008/07/07 初版作成