参照テーブル

ここでは参照テーブルについて説明します。

参照テーブルの詳細については、別途用意されている「CTR-グラフィックス入門」も同時に参照することをお奨めします。

参照テーブルとは

フラグメントライティングでは、ライトやマテリアルのさまざまな質感を表現するために参照テーブルを使用します。

参照テーブルとは、あらかじめ用意しておいた表(テーブル)に値を入力し、その値が表(テーブル)を参照することで、複雑なライティングの計算であっても、決められた時間内に処理できる仕組みです。

以下の図は参照テーブルの仕組みを示したものです。入力角は256段階で設定され、表(テーブル)はカーブを使って設定します。

参照テーブルによる表現

参照テーブルを使用する設定

フラグメントライティングでは次の項目の設定に参照テーブルを使用します。

設定 設定単位 主な用途
距離減衰 ライト 距離減衰
スポットライト減衰 ライト スポットライト
分布 マテリアル スペキュラーの形状
反射 マテリアル 反射カラー
フレネル マテリアル 透明度

分布 ( スペキュラー成分の形状 )

分布とは、セカンダリカラーの計算として、スペキュラーの形状に変化を与える要素です。

分布の設定は参照テーブルを使って行います。分布 0 はスペキュラーカラー 0 に、分布 1 はスペキュラーカラー 1 に対して影響します。

以下の図は、参照テーブルを使用したスペキュラー形状の制御について説明しています。

分布

反射

反射とは、セカンダリカラーの計算として、スペキュラーの色を制御する要素です。

反射の設定は参照テーブルを使って行います。

以下の図は、参照テーブルを使用したスペキュラーカラーの制御について説明しています。

反射

フレネル

フレネルとは、セカンダリカラーの計算として、マテリアルの透明度 ( アルファ値 ) を制御する要素です。

フレネルの設定は参照テーブルを使って行います。

以下の図は、フレネルによる表現を説明しています。

フレネル

距離減衰

距離減衰とは、ポイントライト及びスポットライトで設定できる、ライトからオブジェクト表面までの距離によって光がどのように減衰するかを制御する要素です。

ポイントライト及びスポットライトの距離減衰の設定は参照テーブルを使って行います。

距離減衰

スポットライト減衰

スポットライト減衰とは、スポットライトで設定できる、ライトからオブジェクト表面までの距離によって光がどのように減衰するかを制御する要素です。

スポットライトの距離減衰の設定は参照テーブルを使って行います。

スポットライト減衰  

参照テーブルの入力角

ここでは、参照テーブルで使用できる入力角について説明します。

注意:
入力角 CP を使用する場合は、レイヤーコンフィグを「レイヤーコンフィグ 7」に設定してください。
レイヤーコンフィグ 7 以外で入力角 CP を使用した場合は、プレビューに反映されません。

以下の表は、参照テーブルの入力角についてまとめたものです。

入力角の種類 説明 主な用途
LN ライトベクトルと法線ベクトルのなす角 ディフューズ
NV 法線ベクトルと視線ベクトルのなす角 フレネル
NH 法線ベクトルとハーフベクトルのなす角 スペキュラー
VH 視線ベクトルとハーフベクトルのなす角  
SP ライトベクトルとスポットライト方向ベクトルのなす角 スポットライト減衰
CP 接平面へのハーフベクトルの射影と接線ベクトルがなす角 異方性反射

ベクトルのなす角と入力角の関係

ベクトルとは大きさと向きを表す量で、一般的に矢印で表されます。2つのベクトルによって表される角をベクトルのなす角といいます。

各入力角は、2 つのベクトルのなす角によって決まります。角度が 180 度のとき入力角が最小値となり、角度が0度のとき入力角が最大値となります。

以下の図は、ベクトルのなす角と入力角の関係についてまとめたものです。

ベクトルのなす角と入力角の関係

ベクトルの種類

各入力角は以下の 6 つのベクトルの組み合わせによって決まります。

以下の図は、入力角の基となるベクトルをまとめたものです。

ベクトルの種類

入力角 LN

入力角 LN はライトベクトルと法線ベクトルのなす角によって決まります。

入力角 LN は主にディフューズの表現に使用します。

以下の図は、ライトベクトルと法線ベクトルのなす角について説明したものです。

入力角 LN

入力角 NV

入力角 NV は法線ベクトルと視線ベクトルのなす角によって決まります。

入力角 NV は主に見る角度によって反射率が変化(フレネル反射)する、水面やガラスの表現に使用します。

以下の図は、法線ベクトルと視線ベクトルのなす角について説明したものです。

入力角 NV

入力角 NH

入力角 NH は法線ベクトルとハーフベクトルのなす角によって決まります。

入力角 NH は主にスペキュラーの表現に使用します。

以下の図は、法線ベクトルとハーフベクトルのなす角について説明したものです。

入力角 NH

入力角 VH

入力角 VH は視線ベクトルとハーフベクトルのなす角によって決まります。

以下の図は、視線ベクトルとハーフベクトルのなす角について説明したものです。

入力角 VH

入力角 SP

入力角 SP はライトベクトルの逆ベクトルとスポットライト方向ベクトルのなす角によって決まります。

入力角 SP は主にスポットライト表現に使用します。

以下の図は、ライトベクトルの逆ベクトルとスポットライト方向ベクトルのなす角について説明したものです。

入力角 SP

入力角 CP

入力角 CP はハーフベクトルを接平面へ射影(並行投影)したベクトルと、接線ベクトルのなす角によって決まります。

入力角 CP は主に異方性反射の表現に使用します。

以下の図は、ハーフベクトルを接平面へ射影(並行投影)したベクトルと、接線ベクトルのなす角について説明したものです。

入力角 CP

注意:
入力角 CP を使用する場合はレイヤコンフィグレーションを 7 に設定する必要があります。